通信制高校 ~スクールライフのかたち

卒業後のこと

学校という場所は、そこが人生の中心になるといった種類のところではありません。「学び舎」と呼ばれるように、それは学ぶための機関です。
「何かを実践するために、その方法を学ぶ」というプロセスがあるとするなら、学校とはまさに「その方法を学ぶ」という部分に相当します。つまり、学校とは「前段階」であり、「通過点」でもあるわけです。
ここがゴールではない、という言い方もできるでしょう。学校教育を経て人は学び、そこから先の人生を作っていきます。実践の場へ、コマを進めていくことになるのです。

例えば、高校卒業後の進路としては、進学と就職というのが代表的なものになっています。
高校からさらに上の、専門学校や大学、その他の学校へ進んでいくわけです。それらの学校では、人生を決定づける専門的な学問を修めることになります。
専門学校や大学で得た知識や技術が、その後に就く職業に活かされたり、あるいは特に大学だと学問自体に人生の的を絞る人もいます。さまざまな学問の研究という世界に進んでいくものです。

通信制高校は、さまざまな理由から全日制高校に通うことが出来ない人に、上に書いたような進学の機会をもたらす大事なものであると言えます。
全日制というあり方にどうしても順応できなかったり、働かなければ教育どころか生活が成り立たなかったりする人が、専門学校や大学を通じて得る選択肢は、通信制高校から得られるということなのです。

また、通信制高校は高校卒業後の進路としてもうひとつ代表的なものである「就職」にも直結しています。
通信制高校に通う人が、卒業後にどんな道を選ぶかというデータが出ていて、それを見ると就職よりは進学のほうが比率としては大きいことが分かります。
ただ、だからと言って就職する人がいないというわけではなく、むしろ卒業後の就職という道筋に重きを置いている通信制高校もあるのです。

現代日本の就職事情は、多くの人が知っているようになかなかハードでタフなものです。大学を卒業した人でも、なかなか就職先が決まらない人がいるという問題点も挙がっています。
もちろん高校を卒業した人でも状況は同じなのですが、少なくとも通信制高校で高校卒業の資格を得れば、それは少なからず役立つことになります。
学業を修め、学校を卒業していること。このことは、就職の際には有利な材料として使うことが可能なのです。働きながら通信制高校で学んでいる人にも、ステップアップのために高校卒業の資格を得ようと思っている人は、少なくないでしょう。